2009年1月27日火曜日

準天頂衛星システム(QZSS)

準天頂衛星システム(QZSS)とは日本の衛星測位システムで、日本の「ほぼ」真上に衛星をみることができるという意味で「準」天頂といわれています。2010年夏に官民共同プロジェクトで1号機を打ち上げるというのが日本政府の方針です。

QZSS の開発の背景には、日本には高いビル群や山間地が非常に多いこと、米国がGPS補強策を奨励してきたこと、GPS補完による測位性能の向上ができること、 等がありました。QZSSの効果は建物等の遮蔽物の影響を受けにくいという点や、アベイラビリティ(効用)や精度低下率(DOP)が改善できるという点に あります。

GPSにQZSSが加わることで、地滑りやがけ崩れが発生する危険箇所を数センチ単位の誤差で監視することができるようになります。また、歩行者ナビゲーションサービスが可能となれば身体障害者や高齢者の福利に貢献できるようにもなります。

位置情報サービス(LBS)のマーケットが今後、どういった分野で広がっていくか正確に予測することは難しいですが、巨大マーケットの出現は確かに見込まれます。

準 天頂衛星時代の到来は、人類史上初の高精度測位の実現を意味します。言い換えれば、空間情報システム時代の到来で、情報にのみこまれることなく、情報をう まく管理できる空間情報社会がやってくることを意味します。昨年成立した「地理空間情報活用推進基本法」もまた、この空間情報社会の実現をサポートするも のだと私は認識しています。

GPSとQZSSを活用すれば高精度な測位が可能となります。しかし高精度な測位ができるだ けでは意味がありません。野球の世界でいくらコントロール抜群の投手がいたとしてもボールを完璧に受ける捕手がいなければゲームとしてなりたたないのと同 じように、高精度測位の受け手となる高精度な地図データベースが今後は必要となります。その地図データベースの定期的なメンテナンスの必要を訴えたのが、 地理空間情報活用推進基本法のポイントだといわれています。


http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/08020801.html

精度があがることによってどのようなサービスを新たに展開できるか考える。